子猫を保護した時のケアの方法などをご紹介します。
本ページの内容は大泉書店様より許可をいただき、「野良猫の拾い方」より引用・一部加筆の上掲載しています。
東京キャットガーディアン監修の本「野良猫の拾い方(大泉書店)」では更に詳しい内容が写真付きで掲載されています。
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保護した猫が元気なのか、それとも弱っているのかで、やるべきことが変わってきます。
・猫が弱っている
・猫が元気
怪我や病気の治療を優先します。
元気な猫にはすぐに行うべき医療行為も、弱った猫には負担になる場合が多々。
何をしたら良いか、獣医師に判断してもらいましょう。
!すぐに動物病院へ行けない場合は…
→猫が元気
下記の対応を行います。動物病院へ連れて行ってあげましょう。
・寄生虫駆除
・ウィルス検査
・ワクチン接種
・不妊去勢手術(可能な年齢なら)
猫の体温は人より高いもの。
体(胴体)を触って冷たいと感じたら、低体温になっている証拠です。
市販の湯たんぽのほか、ペットボトルにお湯を入れたものや、
使い捨てカイロを使用してもOKです。
雪山の遭難者と同じく、足先やおしり、背中など心臓より遠い場所から温めるのが正解。
そけい部にカイロを入れるのも効果的です。
段ボール箱に入れ、上にタオルなどを掛ける温かい空気が逃げないように箱に入れます。
箱の底にはペットシーツやタオルを敷き、排泄物などで汚れたら取り替えましょう。
箱を覆うように上にタオルや毛布をふわっと掛けておきます。
薄暗くしたほうが猫は落ち着きます。
!暑すぎた時に、猫自身がちょうど良い温度の場所に移動できるようにしましょう。
熱源の2~3倍の箱を用意してください。
半分を温かいエリア、半分をカイロなしのエリアにします。
シャンプーで洗って体を濡らすと体力を奪ってしまいます。
汚れは乾いたタオルやブラシで取りましょう。
元気な猫なら蒸しタオルを使用してもOKですが、弱っている猫に蒸しタオルはNG。
回復するまで待ってから蒸しタオルを使ってください。
100℃以上の温風が出るドライヤーで急激に体を温めるのは心臓の負担になります。
また、箱の中に猫を入れてドライヤーを当てると熱い空気が箱に充満し、
猫は呼吸困難に陥ることも。
ドライヤーで温めるのはやめましょう。
Pointとにかく低体温じゃなくても、熱源は確保しましょう
Pointミルクは子猫専用のものを使用してください。
人用の牛乳は、糖質が違うので下痢になる可能性があります。
空腹や低体温で低血糖を引き起こしているときには、ミルクやフードより
ブドウ糖を与えるのが効果的。
低体温の猫にも与えましょう。
ブドウ糖
薬局でブドウ糖を入手します。
粉状のものも、タブレット状のものもあります。
ブドウ糖が入手できないときは、ガムシロップやスポーツドリンクでもOKです。
スポイトかシリンジ
ブドウ糖を溶かしたものを口に流し込むために必要です。
シリンジ(針のない注射器のようなもの)は動物病院で入手できます。
1,ブドウ糖を水かぬるま湯に溶かします。
溶かす量は、舐めてみてほんのり甘い程度。
ガムシロップやスポーツドリンクの場合も同様。
2,ブドウ糖液をスポイトかシリンジで吸い取ります。
1回に飲ませる量は1㎖くらいで十分。
3,猫の顔を上に向かせ、猫の口の横・犬歯の後ろ側から少しずつ液を流し込みます。
猫が舌でペロペロ舐め取ったり、のどをゴクンと鳴らして飲み込んだことを確認したら、
追加で流し込みましょう。
※ブドウ糖液だけでは栄養が足らないため、その後必ずフードやミルクを与えてください。
※意識がなくて自分で飲み下せない猫にブドウ糖液を流し込むと誤嚥(ごえん)の原因になるのでやめてください。
そのような場合は、ブドウ糖液を指に取って口内を湿らせてください。
離乳前の子猫には、2~3時間おきのミルクが必要です
粉ミルクの種類によって溶かす量が異なりますので、
ミルクの作り方はパッケージに記載されているものを参照してください。
元気な子猫は自分で吸いつくので哺乳瓶で授乳します。
自分で吸いついてこない子猫にはシリンジで与えます。
片手で子猫の頭を保定する
誤嚥(ごえん)させないようにとにかくゆっくり出します。
哺乳瓶の場合は子猫が飲みたいだけ吸うものですが、
シリンジの場合はある意味人間が強制的に飲ませるので、
子猫がのどを鳴らして飲み込んだことを確認しつつ与えることが大切。
勢いよく出し過ぎると気管に入り危険です。
横から見た姿勢
シリンジ~口~食道が一直線になる姿勢で与える
写真のような姿勢がお手本。
子猫の顔を斜め上に保定しながら与えてください。
子猫が顔をそむけたら授乳終了
顔を横にそむけたり舌で乳首を押し出したりしたら「もういらない」のサイン。
それ以上無理に飲ませないでください。
少量ずつ飲む場合もありますので、時間をおいて、また与えてみて下さい。
仰向けの姿勢は誤嚥につながって危険です。
子猫が母猫のお乳を飲むときは、普通腹ばいです。
仰向け姿勢でミルクを飲ませるのは猫にとって不自然な姿勢で、
気管にミルクが入り込む原因にもなってしまうのでやめましょう。
こすらず優しくトントンと刺激
湿ったガーゼなどで子猫の肛門~尿道口の辺りを軽く叩きます。
出て来たオシッコやウンチはガーゼで受け止めながら、
最後まで出るように刺激を続けます。量が多い場合はガーゼを取り換えながらすべてぬぐいます。
片手で子猫を持つ
子猫の胴体を片手で持ちます。
姿勢は仰向けでも腹這い姿勢でも何でもOK。
オシッコなどが落ちてもかまわないように、タオルやペットシーツの上で行います。
東京キャットガーディアンでは2ヶ月くらいまでの子猫の無償受け入れを行なっています。
(離乳前の子猫は別途ご相談ください。)
受け入れの際、ご寄付のお願いをしておりますが、必須条件ではありません。
お引き受け方法について:
東京キャットガーディアンより別途ご連絡いたします。まずはご相談ください。