早期不妊手術および血液検査と感染症のリスクについて

早期不妊手術について

東京キャットガーディアンでは、早期不妊手術を実施しています。
現在の日本のように、ペットの頭数過剰から生じた膨大な数の殺処分に悩まされたアメリカにおいても、様々な取り組みが行われました。
その中で最も効果を発揮した手段が、早期不妊手術です。
譲渡前に手術を行えば、譲渡後のむやみな繁殖により増えることは絶対にありません。
その安全性は検証・確立され、シェルターのような保護施設においては、必須とされている手術です。

FIVおよびFeLV検査について

当シェルターでは、推定4ヶ月齢を過ぎた個体にFeLV(猫白血病ウイルス)の検査を実施しています(例外をのぞき、FIV(猫エイズウイルス)検査はしておりません)。
(ウイルス検査に関する詳細はこちら)

理由

  • ・当シェルターではこの月齢からフロアに出す(他猫や人との社会性を身につけるため)
  • ・FeLVはFIVより簡単に感染しやすい(唾液から感染)
  • ・FeLV感染症が発症した場合の致死率の高さ
  • ・FeLVはどの年齢からでも検査可能(収容して1ヶ月の待機期間をクリアしてから検査を実施)
  • ・生後6ヶ月齢以前のFIV検査は、結果の信頼性が低い
  • ・流血を伴う喧嘩に至らない限り、FIVに感染する可能性は低い

☆4ヶ月齢に達し次第、順次検査を実施しておりますが、タイミングによりまだ検査をしていない場合もあります。少人数で運営しておりますので、ご了承ください。

収容を受け入れている行政によっては、FIV・FeLV検査を実施しているところもあります(その場合は個別にお問い合わせください)。

東京キャットガーディアンの願いは、『すべての猫達に幸せになってもらいたい』
そのために本当に必要なものは何か、また、猫・人ともに負担のかからない最良の方法はないかと、常に模索しております。当シェルターのウイルス検査に関するこの方針は、その中から決定されたものです。

なお、検査により陽性結果が出てしまった猫に関しては、他の猫との接触がないよう隔離し、飼育いたします。

猫パルボウイルス感染症(猫汎白血球減少症)検査について

現在、猫のパルボウイルスを検出できる専用のキットは開発されておりません。
パルボウイルスの検査キットは犬の糞便中に排出されたウイルスを検出するものになります。(一般の動物病院で使用されている検査キットも、犬専用のものになります)
犬と猫のパルボウイルスは遺伝子的に近縁であるため、検出率は100%ではありませんが、ウイルス感染をしている個体を発見できる場合があります。
猫パルボウイルス感染症においては、いかに早期発見および感染個体を早期に隔離できるかが、個体および全体を守る上で最優先とされています。
そしてまた、感染個体に関しては、どれだけ早期に治療を開始することが出来るかが救命率の向上にもつながりますので、検査の導入を決定いたしました。
使用している検査キットはIDEXX社の『スナップ・パルボ』です。

感染症その他の病気のリスクについて

健康に問題がないように見えても、猫は外見からでは分からない病気を持っている可能性もゼロではありません。遺伝的な疾患、内臓疾患、FIVやFeLV以外の感染症など、現在では猫にも種々の病気があることが判明しています。

猫伝染性腹膜炎(FIP)は発症すると恐ろしい病気ですが、その原因ウイルスであるコロナウイルスは、ほとんどの猫が持っているウイルスです。ありふれたコロナウイルスが何らかの原因により突然変異して、強毒性のFIPウイルスになると言われていますが、変異の原因はまだはっきりと解明されていません(詳しくはこちら)。

またどの猫でその変異が起きるのか、判断することは不可能です。

それ以外にも、遺伝的な疾患などが成長するにつれて出てくる可能性も考えられます。

上記内容をご理解ください。

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